どこが好きかと尋ねられても、とりたててひとつだけを挙げることができないように
となりで眠るその相手に欲情を感じる、特別なきっかけのようなものはない
呼吸をするように自然に吸い寄せられ、勢いづいたら止まらなくなる
寝るときには常夜灯をつけない主義だから、真っ暗な闇に閉ざされた部屋に並んで敷かれた二組の布団
無言のまま卓は、もそもそととなりの布団に潜り込んでいく
別にそれを望んでいたというわけではなく、もともと、眠っていても少しの物音や気配の移動に気づきやすいココは
その瞬間、ぱちりと目を覚まし───いたずらっぽい笑みを浮かべた
「──────ん?」
「…………」
回した腕に伝わってくる輪郭が、いつもよりもやけに頼りない
思わず声を漏らしてしまった卓の胸で、ココは吹き出しそうになりながらようやく沈黙を貫く
肩から腰、腿のあたりまでてのひらを滑らせてみて
その小ささの意味するところに気づき、卓は呻いた
「…………ココ……おまえ、なあ………」
「………ふ、ふふっ」
おやすみを言い合ったときには、確かに通常サイズ(?)だった
暗がりの中だからしっかり目視はしていないが、多分、自分が動き始めたときもまた然り
布団をめくり、身体をすべりこませるその瞬間、ことが決行されたということなのだろうか
ココはお得意の魔法で、これまたお得意の変身───子供の姿になっていた
欲にまみれてなのかどうなのか、気づくことができなかった自分もどうかと思うのだが
「なあに? どうしたの、卓」
「………なんで、ガキになって………」
「ん? 別にぃ───……子供に変身すれば子供みたいな楽しい夢が見れるかなって思って♪
なにか不都合でも、ある?」
「……………」
今すぐ光速の速さで戻れ
その気でもぐりこんではきたものの、直接そう口にするのは気が引けて
卓は苦い顔をしながらぐったりと肩を落とす
一方、ココとしても別に、それが嫌で子供の姿に変わったわけではない
一拍の間をおくことでその気をさらに引き出す───いわゆる“焦らし”のつもり
欲を言えば、昔よりはいろんなことを喋るようになったとはいえ
自分を求める熱い台詞は、その行為の真っ最中にしか言わない相手に
その前の段階で、求めるような乞うような台詞を言わせたかったというのもある
にやにやと口端に笑みを乗せたまま自分を眺める姿が、愛おしいながらも小憎らしい
それだけで、楽しい夢を見たいだなんて可愛らしい理由などではないことが丸わかりだ
掌で踊る孫悟空状態が嫌、というよりもむしろ、意地の張り合いせめぎあい
そ知らぬ顔で卓は布団をはいで、横を向いていたココの体を仰向けに転がし
パジャマのボタンに手を掛ける
「! ………え!?」
「…………………」
そういう趣味はない そう思いこんでいたから、予想とはまったく異なった卓の行動に
ココはその身を固くする
こわばった唇に重ねられた唇がもたらすのは、けして子供相手にするものではない本気のキス
ゆるやかに入り込んだ舌先が泳ぎ、体中の力が抜けていくその波に逆らわず
開いたパジャマの合わせ目からするりと指先を滑り込ませる
背中のカーブに沿って撫で上げられ、思わず仰け反ると
まだ成長過程、ココが誇るメリハリの利いたラインの片鱗すら伺えない小ぶりの乳房が
卓の肌と、おそろいのパジャマの生地に触れた
卓は腕にまとわりつくそれをさっさと脱ぎ捨て後ずさり、小さな蕾を唇で挟む
その一方で、簡単に包み込めてしまうほどの大きな掌で、押しつぶしかねない勢いで揉みしだく
捩ろうとした腰を、重なる身に力を込め押さえて、空いた手をねじこむように差し入れ
パジャマのズボンをずり下げ、露わになった内股を指で辿りながら
ゆっくりとその中心に触れる
「や……………っ……!」
思わずびくりと震えたココの顔を覗き込み、卓はにやりと笑った
「………なんだよ」
「……だ……って、その……わた、し、子供のまま……で…………っあ!」
さわさわとその周辺を撫でながら、何食わぬ顔で指先を中へ侵入させる
縮んだ体に比例して、その入り口も狭くなり、いつもより強い力で卓の指を押し返そうとする
けれど、にじみ出る蜜の香りはいつもと同じ。そして、卓の指の動きにあわせて奏でる音も
瑞々しいその音に引き寄せられるように卓はじりじりとその身を埋めていき
まだ毛が生えるか生えないか、つるりとした花弁に唇を寄せる
「や、いや……卓!! わ、わたし……元にもど……あ、ああっ………!」
腿の間にうずまる卓の髪をかきむしりながら主張する声は、半ばで途切れた
やさしくすくい上げるような舌につかまり、体中に一気に震えが走る
零れ落ちそうなのをくまなく舐めとり、顔の位置を変えずに卓はココの顔を見上げた
「ふうん…………?」
「………っ……………ぅ」
「………戻ってから、存分にしてくれ、と」
「!! ち、ちが…………!!」
端的にいえばその通り。にもかかわらず、反射的に首を振る
それを見極めた後で卓は、表情も変えずに言い放った
「………じゃあ、別にいいな」
「……………!! っや………ぁああああ、あ!」
卓の動きからは、ためらいの色が微塵も感じられない
もがいて掴んだシーツがきしんだ音を立てる
気を抜けば崩れてしまいそうな身を保とうにも、その限界は急速に訪れて
がくがくと震えながら、ふうっと頭の奥が空っぽになり───
「………まだ、早ええよ」
「…………え………」
いつの間にかすぐ隣へやってきていた卓の顔。耳元で低く響く声にココの意識が呼び戻される
なにがどう早いというのか それを確かめる隙もなく、ココの身は卓に抱えられ、くるりと反転
四つん這いの姿勢のまま首の後ろを軽く指で押さえられ、次いで、圧し掛かるように覆いかぶさり
再び卓は小さく囁く
「しばらく、こっち見んな」
「え? …………っ………!?」
わずかに開いた腿と腿の間に、何か、いる
それを挟み込んだまま、かつ、逃さぬようココの両腿を押さえ
卓はゆっくりと動き出す
そこにいるのが何なのか、理解するのにさほど時間はかからなかった
ただ、その手の行為に関するココの認識の域から、今の姿はあまりにもかけ離れていて
声を出すことすらできない
「……………ぅ」
「!」
卓の腹と自分の尻がぶつかり合う音にまぎれて
背中越しに、卓の荒い息遣いが聴こえてくる
だんだんその動きは早くなり、吐息と吐息の間に、ほのかに自分を呼ぶ声が入り混じってくる
突き出す腰を押さえる手に力がこもる
体の奥から搾り出すような一声のあと、ほとばしる精をシーツに落として
卓はがくりとココもろとも布団に崩れ落ちた
「…………ふ……………」
「………た……卓…………?」
ココの上で卓は自嘲気味に笑う
もぞもぞと振り返ったココの唇に唇を重ねながら、卓は胸のうちでため息をつく
自分にその手の嗜好はなかったはずなのだが
卓のなすがままに腕の中で喘ぐ幼女の姿に、迂闊にも、悪くないと思ってしまった
もちろん、中身が誰なのかを心と体で知っているうえでの高揚に過ぎない(と、思いたい)のだけれど
最初はおどかしのつもりだったのが、結局は、自身を止められなくなり
「………………」
ゆっくりと卓は起き上がり、ココの身を仰向けさせる
おどおどしたままのその表情に目を合わせることなく、波打つ髪を指に絡めて呼吸を整える
腕に伸びてくる小さな手をもう一方の手で受けながら、卓はようやく覚悟を決めた
「…………そろそろ、本番行きてえんだ、けど」
「…………………っっ」
──────それは、ココが望んだ言葉とはだいぶ趣が違ったけれど
* * *
ええと……
私にも幼女趣味はないですのであしからず(汗)
けどココ姫のあの能力はエロティックだと思います、ハイ