ゆっくりと、俊の手が蘭世の肌を撫で、唇を這わせていく。
お布団の上で、いつも通り優しく導くその手に身をゆだねたいのだけれど、今は。

「…………」
「……ん?」

おずおずと俊を見上げ蘭世はやっと口を開く。

「……えと、あの……こんなときに……ごめんなさい……。お手洗いに……いきたい……」

顔が真っ赤になってしまう。ムードぶち壊し〜〜〜〜。もう、蘭世のバカバカバカ!!

「…………」

俊は蘭世の手を引き立ち上がる。



風呂場のドアを開け、蘭世を中に押し込めあとから俊が入り込む。

「……え」

なんで……お風呂……?
蘭世の顔に浮かんだ疑問符を無視し、俊は蘭世のショーツをパジャマごと引き下げ指を滑らせる。

「ま、ままま真壁くん!?」

湯船に手を付かせ後ろから腰を抱き指で突起を刺激。

「あ……やだ……。出ちゃ……よ……」
「…………」

ふざけてるんでしょ? まだ余裕だった蘭世の表情が凍りつく。

「……ま……かべく……?」

いっそう早くなる指の動き。

「…………出せよ」
「……!? んぅ……!!」

一瞬、蘭世の腰がぶるぶると震え、次の瞬間、俊の腕をつたっていつもとは違う液が垂れる。

「…………っや……あ!!」

気持ちとは裏腹に勢いよく流れ落ちる。
マットに落ちる水音に、蘭世は恥ずかしさのあまりおかしくなりそう。
ぼろぼろと流れてくる涙のせいで乱れた髪が顔にはりつく。





「…………う……」

濡れるのにもかまわず蘭世は自分が作った泉に座り込む。
止まらない涙。……最低。消えてしまいたい。
湯船のへりに突っ伏し顔を隠せるだけ隠す。
俊はその傍らに座り込み耳元にささやく。

「顔、上げろ」
「…………」

上げられるわけがない。無言でふるふると首を振る。

「……ふ……ん」

俊は蘭世の腰に手をかけ、無理矢理身体を反転させる。

「…………っ!!」

蘭世の腕を押さえ、脚を開き、いつもより少し下の扉の周辺に指を這わせる。

「え……真壁くん……!?」

ゆっくりと、指を挿入。きつい壁を押し破りどんどん奥に進んでいく。

「〜〜〜〜〜!!」

痛い、気持ち悪い……感覚は浮かんでくるのに声にならない。
力の抜けてしまった身体を精一杯持ち上げ、逃れようと試みるが、たくましい腕に押さえつけられる。
根元まで飲み込んでしまった指。

「…………っっ……あ」
荒い吐息交じりの、濡れた声に自分でも驚く。

「……いつもと、違うって? でも」
「…………」
「……結構、よさそう」

俊は自分の指を除き、今にもはちきれそうな自分自身をそこにあてがう。
蘭世の耳朶に噛み付き、むりやりそこにねじ込んでいく。

「! ……・あ……ああああっっ!!」

はじめて中心を貫かれたときとは全く異種の感覚が蘭世の背筋を凍らせる。
苦痛にゆがむ眉根とにじむ涙がますます俊の感情をエスカレートさせ、
止まらない、止められない……ほどなく迎える絶頂。
いつもよりも強く締め付けてくる壁の熱さに負けないくらいの熱を放つ。





ぐったりと、座り込んだままの蘭世。床には金色と白色と少々の紅色の液体が余韻そのままに残っている。
俊はシャワーの蛇口をひねり、ぬるめの温度を確かめて蘭世の中心を丹念に流していく。
互いに混ざり合い、排水溝に流れていく三色を眺めながら、俊は静かに微笑んだ。

……彼にとってはまだ序章。