「…この曲、ルーマニア語なんですってね…。
わたし、カルロ様の歌う『飲ま飲まイェイ』が聴きたい、なあ」
「……」 

蘭世の唐突な申し出に、カルロは思わず絶句した


勿論、音痴だからではない(不得意なものなどない)し、
ところどころ日本語のように聴こえるとはいえ、元は母国語なこともあり
一度蘭世とともに聴いた時点で何となくフレーズは覚えてしまっていた
切なく物悲しい心情を歌い上げる恋の歌――彼女の瞳を覗き込みながら
弾き語るのも悪くない
感激屋な彼女のこと、歌詞の意味を知っていれば、きっと喜び
下手をすると、涙をにじませてしまうかもしれない


―――そう、歌詞の意味をきちんと把握していれば―――


哀しいかな、彼女の口に昇るのは常に日本語の歌詞(?)のほうで
きっと口には出さないものの、脳裏に浮かぶのはあのシュールに踊る
飲んだくれ猫二匹で……

「まあ、それは別の機会にするとして…」
「え〜〜〜! カルロ様〜おねがい〜〜!」

ぷうっと拗ねる蘭世の髪をふわりとなでながらカルロは優雅に微笑み
棚にずらりと並んだワインのうち一本を選び取り、蘭世の目の前に差し出す

「ランゼ…おまえと同い年のものだ。折角『飲め』と言われているのだから、
歌うのもいいが、ワインの封でも切らないか?」
「…! うわあ…! 素敵ね…!」

瞬時にして表情を輝かせる蘭世。くるくると変わるその天真爛漫さが愛らしい
カルロは微笑みを絶やさずワインオープナーを操りながら密かに胸の中で安堵した
―――乾杯!  カルロの脳裏では、一方の猫がもう一方の猫を抱き寄せ
半ば無理矢理に酒を飲ませる姿がよぎる―――

 


こんな感じですか? とへろへろっと書き始めたものの
………歌ってないよ! すすすすみません〜〜〜〜!!

でもあれですよきっと。カルロ様のことだから、自分は歌わずとも
蘭世ちゃんが頼めば専用合唱団とか作ってくれそうじゃないですか??
…ベンちゃんあたりをリードボーカルで!