久しぶりに俊の家で二人きりで過ごしている。
以前より格段上手になった食事を二人で平らげ、他愛もないおしゃべり。
ふと目が合い、なんだかいいムード。
季節は冬。人肌恋しいお年頃……。
俊の手が、蘭世のシャツのボタンに伸びる。
蘭世も俊のリードにあわせ、体の力を……
「…………ああっっ!!」
「うわ!?」
急に耳元で大声をあげる蘭世に本気で驚く。
「なん……」
「だ、だめ!! 電気消して!!」
蘭世は、襟元を開こうとする手を力いっぱい抑えて抵抗する。
「……? あ、ああ、悪い……」
なんだかよく判らないまま、俊はとりあえず言うとおりに電気のコードをひく。
カチ。小さな音と共に部屋がまっくらになる。
『……恥ずかしいのか?』
何度身体を重ねたか知らないのに、そんな行動の蘭世をいとおしく思いながら、
闇に溶け込みもそもそと手探りで蘭世の衣服を一枚一枚解いていく……
う〜〜〜っっ、今日はこんなに遅くなると思わなかったのよう……
迂闊。その日の下着は上下てんでバラバラの色と材質。
今日はさっくり帰るつもりだったので、タンスの上から適当に選んだそれは
デザインも今ひとつ気に入らない。
ああ、ごめんなさい真壁くん、蘭世はだめな彼女です――――
次の次の日、蘭世は街へ走った。
その次の週。やっぱり部屋に二人きり。
ムードたっぷりの新作のビデオなんて見ちゃったし、
こりゃ続きはお約束でしょ、とばかりに俊が蘭世の頬にキスをする。
何度してもらっても胸がきゅんきゅんして甘くしびれるそれを受けながら
俊が上着を優しく脱がせてくれるのを待つ。
―――カチ。部屋は暗転。
「〜〜〜なんで消すのお〜〜〜〜!?」
俊の背中をばしばしばし。涙声で叫ぶ蘭世。
「ああ!? いてててっっ。こないだお前が消せっていったんじゃねーか」
子供が地団駄を踏むような抵抗を続ける蘭世の腕を何とか押さえ、俊が返す。
「こないだと今日は全然違うの〜〜〜!! 真壁くんのバカバカバカー!!」
「…………」
絶句。
……女心は判んねえ……。
俊のぼやきの秘密は、おフランス製レースの上下セット