どこをどうして好きになったのか
なんて
口が裂けても尋ねることはできないけれど
どこをどうして好きになったのか
判らないからこそ
不安に襲われることもある
そう、例えば
周りに光も音もなくなり
まるで
今生きているのが自分ひとりであるかのような
気持ちになる真夜中に
ふと目を覚ましてしまった
今この瞬間のようなとき

誰に対しても優しく接することのできる彼女だから
誰に対しても心からの笑顔を向ける
相手の痛みを自分の痛みと思える彼女だから
人の痛みにまで惜しげもなく涙を流す

“他の誰か”と自分との違いは
どこにあるのだろう

自分を取り巻く暗闇が
心の中の闇まで助長していく気がする
彼女のもつ「優しさ」故のことだと充分判っているし
けして満たされていないわけではない筈なのに
心も体も視線も些細な表情の変化すらも全て
自分だけのためのもので
あって欲しいと
求めている自分が居る

「……ん」

隣で眠る彼女が
ゆっくりと寝返りを打つ
彼は彼女の手を握り
闇に取り込まれないよう
逃げるように目を閉じた

ソバニイテクレナイトキガクルイソウニナルノハオレノホウ