「虎の皮のパンツも用意しておけばよかったかなあ」
俊の耳に、卓作成の鬼のお面の輪ゴムをひっかけながら
蘭世はぼそりと呟いた
「いや、何もそこまでは……」
そこまで本格的にやらなくてもいいだろ……
というか、そのカッコをおれにさせる気か?
……いや、それ以前にまず
「……って、おれが鬼なのかよ?」
俊としては
別に、鬼を立てなくとも儀式的に撒けばいい話ではないかと思うのだが
蘭世は当然のように、鬼を立てることを前提にした答えを口にする
「え? ああ、わたしがやってもいいけど……」
「…………」
こいつが鬼って……まったくもって正反対なキャラクターだな
と思いながらも
ちょっとずつ、むくむくと俊の中で湧き上がってくるイメージ
ツノ……は1本より2本だな
そんなにょっきり生やしても何だから
ちょっぴり控えめに生やして、と……
虎の皮……
の、パンツ一丁にさせるわけにはいかねえから
胸あてもさせて
ブーツなんかも履かせてみるか
…………
…………ちょっと、いいかも……
その瞬間
目の前に立っている、豆入りの枡を手にした卓が視界に入ってきて、視線がぶつかる
「……………………」
あいつが、あの格好をするとしたら
周りをウザイくらいに飛び回っているあのチビッコは
必然的に…………
…………
「………………いや、いい」
俊は鬼の面をしっかりかぶり
頭をぽりぽりと掻いた