望里です
つい先日、わたしの初孫である卓が通っている幼稚園で運動会があるというので
わたしは椎羅と連れ立ってそれを観に行ってまいりました
運動会というイベントにもってこいの晴れ間というものは
吸血鬼の身としては、いささか辛いものがございますが
こんなことを言うのは身内贔屓のようで何ですが
目に入れても痛くないほどかわいらしい初孫の晴れ舞台というものは
何をさしおいても目にしたいものでありまして……
え? そんなわたしのシチュエーションにぴったりの曲があるだろう、ですって?
それではこの場を借りて一曲……
ではなくて!
みなさまにご報告申し上げたいのは
わたしの娘の夫……わたしにとっては婿にあたります真壁俊くんが
その運動会で奇怪な行動をとっていたということなのです
彼は、わたしたちが到着した頃は
父兄参加のフォークダンスの輪の中で華麗に踊っており
それだけでもわたしはいささか衝撃を覚えたのでございますが
席に戻ってから以降、競技を見るわけでもなく
ずっとくまのぬいぐるみを対面で抱え
恐ろしいほどの形相で睨みつけながら
なにかぼそぼそつぶやいていたのです
そう、まるで心あるものと会話をするかのように……
……彼は、何か悩みを抱えているのでしょうか?
同じ父親として、そして彼自身の義理の父親として
わたしに何かできることはあるのでしょうか?