俊蘭SSSまとめ / お題等お借りしたもの




お題箱 ゆるくイチャつく2人




230613-01

4.キスをねだる時は正面から抱きついて真壁くんを見上げる蘭世さん。そんな蘭世さんの仕草に見事に心臓を撃ち抜かれ意地悪が出来ない真壁くん



世界を、ときに時空を超えて振り回された一連の騒動が落ち着いて、ふと気がつけば、お互いいろんなことをしたいされたいお年頃。とはいえ現状は、自分からそのいろんなことに踏み込む度胸はなく、相手の───彼の行動というか衝動に一任する状態に留まっている。それだけで十分に満たされてはいるけれど、それでも、ふとした瞬間、たとえば今現在のような、急な雨で彼のバイトが休みとなり、どこかに出かけるわけでもなく部屋でのんびり過ごしている昼下がり、なにがきっかけとしてあったわけでもなく急に『好き』の気持ちが大爆発し、いま! キスして! と思うこともけして少なくはない
てなわけで、精一杯の勇気を振り絞ってしがみつき、じっと彼を見つめながら次の行程を全身で祈念してみたのだが、彼は一瞬ぐっと詰まった顔をして、黙り込んだままこちらをしばらく見下ろしていた。いつものようにからかわれるのかと思いきや、何かに観念したかのように彼は呟く

「なんだかんだ言っておまえって、おれのこと操縦するのうまいよな」
「えっ」
「なんでもない。……あんまこっち見んな」

言われるまでもなく目を合わせ続けるのはそろそろ限界で、彼の顔が傾こうとする気配に反射でぎゅっと目を閉じる。抱きついていたはずが逆に抱きしめられていることに気づいたころには、唇だけでは到底足りないことを文字通り肌で感じさせられていた





気持ちが爆発したといっても、きゅっとすぼめた唇をお行儀よく啄むような甘っちょろさを求めていたのであって、こんな、全ての歯の形状を知らしめるような舌の動きやら、息継ぎに苦心するほどのしつこさやら、ましてやそれ以上の行為を求めているわけではない と本人は思っているつもりなのかもしれないが、それにしては投下された燃料が強すぎた。だから『起動』ではなく『操縦』と言ったのだが、その差分に込めた意味に彼女は気づいているのか
くずおれたまま夢中で身を押しつけていたのをわずかに離れ、床に波打つ髪を押し捻ってしまわないよう注意深く肘をつく。ほんのり熱を帯びた柔らかな耳朶から顎のラインを空いた指先で辿りながら見下ろしていたら、ずっと遮られていた口呼吸の仕方を思い出したのか、はふっと大きく息を吸って吐いた彼女と目が合った

「……あまり……こっち、見ないで……」

そんな恨みがましい目を、そんな紅く染まった顔でされても、更なる起爆剤にしかならないというのに
お望みどおり顔を見なくて済むよう再び身を沈め、ちょうど開いた口元を舐め上げてやると、腕の中で細い肩がびくりと跳ねる。からかうとか、ましてや焦らすなどと、駆け引きを楽しむ余裕は残念ながらもうない。ぐいとはだけさせた襟元から鼻先を突っ込み、すべてを吸い取るように、あるいは擦りつけるように、柔らかな肌をただただ一心に貪った


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どっちもチョロいのがうちの俊蘭








診断メーカー・今日のSSのお題



230520-01[P:230516]

しずくさんは「制服」をお題にSSを書いてください。



しゅるりと響いた衣擦れの音に、蘭世はあっと何かを思い出したようなそぶりをした
その顔を覗き込むと、なにやらもじもじと言い淀み……何を言い出すのかと思えば、お互いのネクタイを交換し合いたいのだと来た

「なんかね、そういうおまじない的なものがあるんですって」
「…………」
「恋人同士、ふたりでネクタイを交換して……学校にいるときは、クラスが違っても、移動教室でも、おトイレでも、いつも一緒だよ♪ みたいな……」

聖ポーリア学園高等部の制服のネクタイは、男女ともに同色・同サイズの共通仕様である。そのため、交換すること自体なんら支障はないのだが、『おまじない』というワードからして何かもう。詳細を聞かされないうちから、なにやらまた胡散臭い情報を仕入れてきたのであろうと思ったのだが、案の定だった

「……そういうの、好きそうだよな」
「わかる?  真壁くんは興味…………ないでしょうね」
「まったく。便所くらい落ち着いて行きてえし」
「それは物のたとえです! もう~。……交換、してくれる?」
「別にいいけど」
「やったあ!」
「…………」

───と、確約をとりつけたからなのかそれだけとは思いたくないがとにかく、蘭世は満足げに微笑みながら俊の唇を迎え入れた

下校途中で俊の部屋に立ち寄り、そのまま肌を合わせる流れになるのは、なにも今日が初めてのことではない
猛然と先を急いで脱ぎつ脱がせつつ適当に放り投げた制服の重なりを横目に見ながら、今現在ふたりのネクタイは二本とも小山に埋もれた状態だし、いざ事が終われば、少なくとも俊のほうは適当に掴んだネクタイを自分のものとしてハンガーに掛けてしまうのが常だし……ということで、果たしてどちらがどちらのものなのかなんて今更分からないぞ というある意味残酷な事実を伝えるのはやめておいた


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消しゴムに好きな人の名前を書いて誰にも見られず使い切るとうんぬんかんぬん的なアレは今もあるんでしょうか……
(原作との設定相違に慌てるくせに体の関係についてはその都度好き勝手書くいい加減なサイトで誠にすみません)