色々100のお題 Type3 06:紅水晶
時計を見ると午前二時
昨夜以上の目の冴えっぷりに、俊は今夜三度めのためいきをついた
どうもおかしい。昨日と違い今日は、バイトもトレーニングもいつもの倍以上の気合でこなしたというのに。いや、正確には、バイトとトレーニング以外のことに思いを馳せてしまうのを防ぐべく、いつもよりもハードモードで取り組まざるを得なかったというべきか
いまひとり横たわるこの部屋に、昨夜の、物理的な名残は何ひとつない。あるのは、布団にひとり分空いたスペースと、悶々と残る息苦しさ
「病は気から」ではないが、どちらも気分の問題でしかない。―――はず
効果も空しく寝返りを打った視線の端に、きっちりと畳まれたシーツの角が見えた。彼女は昼間、掃除だけでなく洗濯もこなしてから帰ったらしい
洗うな、とは言えなかった。言ってしまったら、ただの変態だ
彼女の肌は、夢や想像のそれよりもしっとりと吸いつくようにきめ細やかで、花もかくやに咲き匂った
こんなことをしたら、あんなことをしたりしたら、彼女の自分を見る目が変わるかもしれない などと懸念する余裕なんて持てず、あるいは、はじめての性交はひどく痛いものだと知識としては知っていながらも、順序も秩序もなく蹂躙した
恥ずかしさに燃える頬をしながらこんな姿勢は嫌だと閉じようとする、そのすべてを、わざと見せつけるように抉じ開けて、唇を当て舌を這わせ、彼女のお株を奪い咬みついて。気を失うように眠りに落ちた彼女を起こし、執拗に攻め続けて―――思えば思うほど、我ながら無茶苦茶だ
いつもいつでも優しくあたたかく、包み込むように接していたい そんな気持ちを教えてくれたのは彼女だけれど、自分のなかにこんな狂暴な部分があることを知らしめたのもまた、彼女だった
彼女の前「なのに」―――いや、彼女の前「だから」我を忘れる。そんな自分に身悶える
甘い蜜のように絡みつくあの声を
本人が嫌がっているのに、無理強いしてまで聞いたりした罰だ
それでもなお、暗がりの中でも浮き立っていた唇の薄い紅が、白い肌に無我夢中で刻んだ紅いしるしがやたらと思いだされて眠れない