その日はうららかな春の日差しを象徴するような、澄み切った青い空
豪奢なステンドグラスから光が差し込んで
純白の衣装に包まれ、始まりの道を歩く二人を祝福するかのように
静かに優しく照らす
軽やかに響く賛美歌に替わって、異国の瞳を宿した神父の聖書朗読の声が響きわたり
少しずつその場の雰囲気は厳かなものへと変わっていく
ふたりで在り続けること、それ自体にはこれからも何の変化もないのだから
「結婚」なんて書類上の手続きでしかない
あなたはそう言ったし、わたしも正直そう思ってた
けれど
わたしという存在───わたしの体も心も全て、あなただけのものなのだと
思うだけじゃなくて
きちんと形になるということ
そばにいるのが「幸せ」なだけではなくて
「当然」にもなるということ
「真壁蘭世」になるということは、そういうこと
一度そう思ってしまったら、不思議ね
嬉しい筈なのに、ううん、嬉しいからこそ
さっきからずっと涙が止まらないの
「──────永遠の愛を、誓いますか?」
この場所にふたりで立つまでに
一体どれだけの涙を流してきたんだろう
恨み言を言いたいわけじゃなくて
たまに純粋にそう思うことがあったの
悲しい時だけじゃなく嬉しい時も涙が零れてしまうわたしだけれど
わたしが涙を流す時は、あなたが傍らにいてくれたらいいな
「………」
悲しい時だけじゃなく嬉しい時も涙が零れてしまうわたしだから
いつもずっと、そばにいてね
「──────誓います」
一拍おいて俊が応えたのは
決して、神父の問いかけに対してだけではなく